防衛モニターは行政モニターの一種です。
防衛省が毎年募集している行政モニターが、防衛モニターです。
日本に興味のある人にとくにおすすめの制度です。
任期は2年。
防衛モニターと基地モニター(駐屯地モニター)とのおもな違いは、
- 任期
- 担当者の所在(場所)
です。
防衛モニター・基地モニター(駐屯地モニター)共通の事項として、いずれかに選ばれたとしても公務員の身分にはなりません!
地方協力本部や基地(駐屯地)に勤務することはありません。
したがって発言の方向性が制限されることもありません。
ただし、防衛省の秘密(省秘)に関することはその限りではありません。
SNSでの発信などには充分に気をつけましょう……!!
- 任期2年
- 最寄りの地方協力本部にお世話になる
- 特定の時期に、テーマにしたがった意見提出を求められます。
- 任期1年
- 最初に自分で選んだ基地(駐屯地)にお世話になる
※防衛モニターの選考から漏れた方が任命される場合もある - 意見提出を求められる機会があります。
日本で唯一、陸上自衛隊の駐屯地が存在しないのは奈良県なので、奈良県民にしか需要がない質問ですが、解決方法はあるので掲載しておきます(;´Д`)
奈良県民かつ陸上自衛隊の駐屯地モニターになりたい方は、京都府の大久保駐屯地の駐屯地モニターに応募することができます。
当然のことながら京都府民(宇治市以南にお住まい)の方も応募されるはずなので、じゃっかん倍率が高めの可能性はあると思います……
参考ポスト。

行政モニターとは
行政モニターとは、各省庁・都道府県や市町村などの自治体が募集するモニターです。
募集要項にしたがって応募し、審査を経てモニターに任命されます。
モニターになると、会議や見学会・特別なイベントに出席することができます。
そこで学んだことを踏まえて、提示されたテーマに沿った意見(またはアンケート)を提出します。
意見提出には謝礼が出ますが、「バイトにどうぞ!」とはいいづらい金額です(この表現で察してくださいね!)。
「イベントは楽しかったし、お小遣いももらえたー♪」と気楽に構えるくらいのほうがいいでしょう。
お金目当ての行政モニター応募は、わたしはおすすめしません。
お金がほしいなら、普通に労働するほうがよっぽど効率がイイです。
このページを書いているわたしは、防衛省の募集している行政モニター『防衛モニター』を務めました。
防衛モニターの任務とは

担当の地方協力本部から案内されるイベントなどに参加し、提示されたテーマにしたがって意見を提出するのが防衛モニターの任務・役割です。
1 防衛モニター制度の目的
『防衛モニターの手引き』防衛省
この制度は、防衛問題、自衛隊、安全保障、防衛政策に関し、広く国民一般の方の意見、要望等をお聴きし、今後の諸施策の企画、立案及び実施の資とすることを目的としております。
参加できるイベントは、記念行事(駐屯地や基地の一般開放)、体験乗車、体験搭乗、体験航海、体験喫食などです。
めちゃくちゃ面白いです!!
ナマの自衛隊、ナチュラルな自衛官の姿が見られます。
自衛隊に興味のある人、自衛隊好きな人にはたまらんですよ!
担当者の方(地方協力本部の方や広報の方)とお話するのも楽しいです!
提出する意見はおもに3種類です。
- 定期報告(アンケート方式)
- 随時報告(防衛省指定のテーマで意見提出)
- 自由意見等(防衛問題や自衛隊に関する事項について)
となっています。
「防衛問題ってなんだか難しそう!!」
そんなあなたも大丈夫。
自衛隊や防衛問題について学ぶため、自衛隊の機関紙『朝雲(あさぐも)』が毎週届きます。
月一回は自衛隊について学べる読みやすい雑誌『MAMOR(マモル)』も届きます。
さらに『防衛白書』もいただくことができます。
届けられる機関紙は、電子または紙を選択可能です。インターネット老人会なので、わたしは紙を選んでいます。
『朝雲』も『MAMOR』もそれぞれ違った方向性で面白いですよ!
『朝雲』はバチバチに固い新聞ですが、記事内容だけでなく広告欄もけっこう興味深いです。
婚礼衣装のレンタルについてとかね……載ってたりするの……。
自衛隊の方々の生活感(または世界観)がよい意味で感じられます。
以下のページは自衛隊のラッピングトラックについて書いたものですが、ここで掲載している写真や情報などは事前に奈良地方協力本部の方に教えていただいた情報をまとめたものです。
こういった”トクベツな情報”が知られる機会があるのは防衛モニターならでは!
胸がときめきますね!
日本唯一の防衛省オフィシャルマガジン『MAMOR』公式サイト
防衛モニターの意見提出には謝礼が出る!

防衛モニターの意見提出には謝礼が出ます。
謝礼は千円~数千円程度です。
また、いただける上限金額が決まっています。
意見を大量に提出しても無制限にお金をもらえるわけではないってことです。
謝礼は銀行口座振り込みです。
そのため、防衛モニターとして採用されたあとは銀行口座情報を地方協力本部に提供することになります。
このときにはキャッシュカードまたは通帳のコピーを提出せねばなりません。
たぶん、口座の実在を確認するためだと思います。
なんらかの事情で銀行口座を持てない人は防衛モニターになるのはしんどそうですね……
わたしは事業で使っているネット銀行口座に謝礼の振り込みをお願いしています。
通帳なしのネット銀行でも、ログインしたときに見られるネット上の通帳画面(名義人、口座番号がわかるもの)をプリントアウトしたもので受け付けてもらえました。
防衛モニターの応募方法は防衛省のウェブサイトにある!
防衛モニターの任期は2年ですが、募集は毎年おこなわれます。
防衛省のウェブサイトから応募することができます。
興味のある方はレッツゴー!
ちなみに、募集要項は明確に定められています。
自分がその条件を満たしているかどうかだけ、きっちりと確認しましょう。
ものすごくざっくり一言でいうと、外国人の方と政治家の方、公務員の方は応募することができません。
防衛モニターに応募できない方々は以下のとおりです。
- 外国人
- 未成年
- 国会議員、地方議員を含む政治家
- 常勤の公務員
- 非常勤の国家公務員のうち、行政相談員
- 防衛省職員の配偶者、兄弟姉妹、曾祖父母、祖父母、父母、子供、孫、ひ孫、甥と姪、おじとおば
- 防衛省(防衛庁)で働いたことがある人
(2)次に掲げる方は防衛モニターになることはできません。
ア 日本国民でない者
『防衛モニターの手引』防衛省
イ 委嘱開始日において18歳に満たない者
ウ 次に掲げる職にある者
(ア)国会議員
(イ)地方公共団体の議会の議員
(ウ)常勤の国家公務員又は地方公務員
(エ)非常勤の国家公務員のうち、行政相談員
エ 防衛省職員の配偶者又は三親等以内の親族
オ 防衛省(防衛庁を含む。)の勤務経験を有する者
防衛モニターの面接、服装はどうする?
面接の服装指定はありません。
産後太りだったわたしは手持ちのスーツが入らなかったので(恥)、スカーフ柄のミモレ丈ワンピースにスニーカーでいきました。
「デニムで面接に行ったけど合格した」というブログ記事を見たこともあります。
失礼のないように、そこそこキレイ目の格好をすれば大丈夫です。
面接官である自衛官の方々はもちろんバッチリカッコイイ制服姿!(※迷彩服ではない)
いろんな雰囲気の”偉い”自衛官の方々を見られるのは興味深いですよ……!
下の画像はわたしの防衛モニターの身分証なのですが、普通のワンピースを着て撮影しています。

面接や委嘱式の服装についての厳しい決まりはありません。
常識の範囲内でキレイ目の格好で行きましょう~。
身分証の写真は、防衛モニター合格後に自分で撮影して地方協力本部に送ります。
防衛モニターの委嘱式はどんなことをするの?

晴れて防衛モニターに合格したあかつきには、委嘱式(いしょくしき)に出席することになります。
そこで、委嘱状と防衛モニターの身分証、防衛モニターの手引きをいただきます。
わたしの場合は、銀行口座情報を提供するのもこのときでした。
あとは記念撮影と、本部長との懇談です。
地方協力本部のいちばん偉い人「本部長」とお話しできる貴重な機会です!
気になることはガッツリ聞いてみましょう。
わたしの委嘱式の経験では、奈良地方協力本部のH本部長は懇談のときに優しくいろんなことを教えてくださいました。
「第〇師団の番号は偉い順なの?」とかシロウト丸出しな質問にも答えてくださいました。
ありがとうございました!!
このときの奈良地方協力本部のH本部長はすでに転勤されています。
その転勤についても丁寧にお手紙でお知らせが届きました。
防衛モニターすごい……!
服装は「かしこまらなくてけっこうです」と事前にいわれましたが……、、、当日はカッコいい制服をまとう地方協力本部の方々に囲まれます。
さらにわたしの場合、同期の防衛モニターさん(男性)がスーツで来られていました。
色味のある私服を着ていたわたしはバリバリに浮きました。笑
こんな感じです。
奈良地方協力本部の公式Xアカウントさんが当日の様子をポストしています。
ペイズリー柄のブラウスを着ているのがわたしですよ~
防衛モニターの疑問。こんなわたしでも防衛モニターになれるの?
ものすごいざっくりいうと、外国人の方と政治家の方、公務員の方以外はだいたい防衛モニターに応募できます。
防衛モニターの倍率については地域差があります。
人口の多い都市部は、防衛モニターの倍率も高くなる傾向にあります。
つまり、大阪府民より奈良県民のほうが防衛モニターになりやすい……。
また、年齢・性別・職業が防衛モニター内で偏らないように調整されています。
ミリオタじゃなくても防衛モニターになれるの?
ミリオタじゃなくても防衛モニターになれます!
『ガンダム』でも『銀河英雄伝説』でも武器や兵器を覚えて見分けるのがすごい苦手なわたしですので、まあ……リアル装備品もお察しなのですが……
それでも防衛モニターになれました!
実際の面接を受けた印象では、むしろ、極度の(痛い)ミリオタは求められていない気がします……。
ヲタではなくて、ちょっと知識があるのは話がスムーズでいいかも。
あと、普通に興味のある方はもちろん歓迎だと思われます。
地方協力本部がとくに重視しているのはミリオタレベルよりも広報レベルだと感じました。
どれだけ広報に協力・貢献できるかを重視されている印象を面接で受けました。
SNSをなさっている方は、体験したイベントについてぜひ発信しましょう。
そして知り合いや友達を自衛隊イベントに誘いましょう。
とくに自衛隊に応募可能な若い子を!!
だって現在すでに定員割れ……。
定員割れがこのまま続くと、災害派遣とかどうなるのかな?って、やっぱりちょっと不安になっちゃいます……。
もちろんそんな「命令」が出るわけじゃないですよ。
でも「なんとか役に立ちたい」と思う防衛モニターは、広報活動をしたら担当の方々が喜んでくださることを肌で感じるでしょう。
そもそも自衛隊が好きだからこそ防衛モニターに応募している、応募したいと思っているはず。
好きな人たちには喜んでほしいですよね。
主婦だけど防衛モニターになれるの?
なれます!
わたしは幼児を育児中の主婦(自営業)ですが合格しました。
先輩のモニターさんも幼児を育児中の女性(会社員)です。
防衛モニターは年齢、性別、職業などが偏らないように合格者の属性が調整されています。
どの属性が求められているのかは毎年変わります。
モニターのメンバーは毎年少しずつ入れ替わるわけですからね。
今回はどの属性が求められているのか?
その内容は外部の我々からはうかがい知れないので(笑)とりあえず応募してみましょう!
防衛モニターになってからは「こんな年代のこんなお知り合いはいませんか?」と尋ねられることで、求められている属性についてわかる場合があります。
該当のお知り合い・お友達がいる方は、ぜひご紹介しましょう~。
意見提出は手書きなの? 手書きは苦手なんだけど……
むしろ意見提出はデジタルであることが求められます。
メールで送信することになっているからです。
デジタル苦手、もしくはその設備のない人は手書きをすることになります……
面接のときに「デジタルでの意見提出は可能かどうか」、わたしは訊かれました~。
何曜日のイベント、行事が多いの?
地方によっては違うかもしれませんが、圧倒的に土曜日です。
その次に日曜日。
そしてたまに平日、となります。
ふだん該当の日曜日におこなわれる記念行事(駐屯地や基地の一般開放)の前日予行=土曜日に赴く機会が多いです。
あとは当日の記念行事=日曜日に行くこともたくさんあります。
たとえばこんな行事に行きました!
- 記念行事
- 記念行事の前日予行(募集広報の日)
- 潜水艦見学
- ヘリコプター搭乗体験
- 音楽隊の演奏会
- 南海レスキュー
防衛モニターは日本に興味のある人におすすめ!

防衛モニターの情報をまとめると、
- 防衛省が募集する行政モニターが防衛モニター
- 任期2年
- さまざまなイベントに参加し、テーマに沿った意見提出をすることが任務
- 広報活動ができるとなおよい
となります。
防衛モニターのメリットは以下のとおりです。
- 年齢制限などで参加できないイベントにも行ける!
※自衛隊に応募可能なお若い方々のみで席が埋まってしまうような超絶人気イベントは行けない場合もあります。 - 記念行事には席が用意してもらえる! 有料の会食(※要 会食代)にも参加可能!
- 機関紙『朝雲』が毎週、雑誌『MAMOR』が毎月、『防衛白書』が適切な時期に届く!
- 防衛モニターの身分証明書がもらえる!(※任期終了時に要返却)
- 意見提出には謝礼が出る!
- 地方協力本部の方、さまざまな自衛官の方とめっちゃしゃべれる(はあと
自衛隊の人ってどんなことを考えているんだろう? どんなことを感じているんだろう? どんな生活をしているんだろう……?? そんな興味津々な人にはおすすめ。
私は人の感情が気になるタチですから、お話を聞くのはいつもワクワクテカテカです。
本当は「奥さまとはどちらでお知り合いに!? 結婚の決め手は!?」とかめっちゃ聞きたい。あんまり聞かないけど。(少しは聞いた。笑
防衛モニターのデメリットは……とくに思いつきません。
ただ、土日を休めない人にとってはイベントに参加するための休暇を毎回取るのがむずかしいかもしれませんね(自分が土日出勤の仕事をしていた経験上、そう思います)。
デメリットというよりネックなところでしょうかね、これは……。
防衛モニターも基地モニターも一度だけの貴重な体験!

防衛モニターも基地モニターも基本的に一度だけの貴重な体験です。
防衛モニターの委嘱期間は2年とし、委嘱期間が終了した方については、任期を連続しての再委嘱は行いません。
防衛省・自衛隊 防衛モニターの募集について
……まあ、同じ人がずーーーっとモニターをするのは普通に考えて問題ですよね……。
いわゆるズブズブってやつになっちゃう……!
自衛隊に前向きな興味のある方はぜひとも応募してみましょう。
自衛隊に志願可能な対象年齢だけど応募予定はない、「自衛隊カッコいいな☆」と思われる方も、一度体験してみるのがおすすめです。
そもそも、自衛隊に応募可能な年齢の方は参加者限定の各種イベントにもガッツリ参加できます。
そこをあえて防衛モニターという立場で継続的に地方協力本部の方々と交流してみることを、一般人(民間人?)としてはオススメしてみます。
応募者として触れるのとは違う視点、よりナチュラルに働かれている自衛官の方々、そして自衛隊という組織の雰囲気を見られるからです。
自衛隊に興味あるけど入ろうかどうしようか? まさか自分が入るつもりはない……けれど、自衛隊ってカッコいいよね、どんなところかもっと知ってみたいな――そんな感じのファンの方には防衛モニターがおすすめです。
わたしとしては、ナマの自衛官の方々といろんなお話ができることは「ものすごい財産だ」と思いました。
自衛官の方々が見ている世界観って、そういう経験のない一般人からしたら謎に包まれすぎていますからね……。
あと、目標を持って志高く頑張ってらっしゃる方々の姿を見られること、そういった方々と交流できることが何よりもすばらしいです。
「わたしも頑張る!」と、いろんなパワーと刺激を得ることができます。
産後で引きこもり、気持ちも後ろ向きになりがちだったわたしは、防衛モニターの活動のおかげで前向きなエネルギーをいただきました。
「次はああしてみよう」「こうしてみよう」と、さまざまな物事に対して自発的に取り組めるようになりました。
防衛モニターの募集は毎年、防衛省のウェブサイトからおこなわれます。
応募はインターネットからでもハガキからでも可能です。
防衛モニターに課せられた任務は「防衛問題を学び、テーマに沿った意見を提出する」というものですが、その活動を通じてたくさんの学びを得られるのはむしろわたしたちのほうです。
少しでも興味のある方はぜひ防衛モニターに応募してみましょう。
そして自衛隊のカッコよさをいっしょに広めましょう~!
推し活! 推し活!!
( ゚∀゚)o彡゜
自衛隊! 自衛隊!!