並べているとどれも同じに見えてきてわけがわからなくなってくる(!)「軍艦」「戦艦」「艦船」「艦艇」「船舶」の違いと意味について解説します。
ここまで厳密に使い分けをしている人はいるのか? はなはだ疑問に思っちゃうほど、このページではトメトメしく徹底的に説明します。
「そこまで考える人なんていねーよ!」とぜひともドン引きしてください。
「軍艦」「戦艦」「艦船」「艦艇」「船舶」は、字面も響きも似ているので、近代史の軍事ジャンルを勉強しはじめたばかりの方はとくに混乱しやすい言葉です。
「こんなときは軍艦!」「こう表現したいときは艦船!」と正確に使い分けることができれば初心者は卒業といえるでしょう。
きっと一目置かれるはず。
それに、戦争映画や戦記漫画、架空戦記などで登場人物たちの会話がわかりやすくなるメリットもあるので、ぜひともマスターしちゃってください!
- 軍艦=旧日本海軍の艦船の分類のひとつ。
- 戦艦=軍艦の中に含まれる艦の形式のひとつ。
※「軍艦」カテゴリの中に「戦艦」が存在しているので、軍艦=戦艦ではない! - 艦船=
現代語として使う場合⇒軍事用の船舶と民間用の船舶を意味する。
日本海軍の用語として使う場合⇒日本海軍に所属するすべての船を意味する。 - 艦艇=
現代語として使う場合⇒所属を問わず軍事用船舶。
日本海軍の用語として使う場合⇒日本海軍の艦船に含まれるカテゴリのひとつ。軍艦もここに含まれる。 - 船舶=すべての船。
個々の意味が微妙に違うことに注意です。
「艦船」「艦艇」は現代語と海軍用語で意味が違う!
これがややこしさに拍車をかけている理由です。間違いなく。
「艦船」の中に「艦艇」がある。
この構図は同じなんですけど、個々の意味は現代語と海軍用語で違うので要注意です。
記事タイトルと前後してしまいますが、まずは「艦船」と「艦艇」について考察していきます。
現代語の「艦船」と「艦艇」

現代語の場合、「艦船」には「艦艇」と「艦艇以外のすべての船」が含まれます。
海上自衛隊のものでなくても、軍事用の船であるならば、それは「艦艇」です。
結論としては上の図のとおりです。
現代語の「艦艇」は、所属は問わずに軍事用船舶のことです。
- 艦船=軍事用船舶と民間用船舶。
- 艦艇=軍事用船舶。海上自衛隊所属かどうかは問わない。海外のものでも外国のものでも、軍事用船舶ならば艦艇である!
現代語の「艦艇」は、所属は問わずに軍事用船舶のことである――これはとても大事なポイント!
なぜなら、海軍用語で「艦艇」というときには日本海軍に所属しているという前提条件がつくからです……。
海軍用語における「艦船」と「艦艇」
海軍用語における「艦船」と「艦艇」は、下の図のとおりです。

旧日本海軍の場合、「艦船」は日本海軍に所属するすべての船を意味していました。
「艦船」はさらに四つのカテゴリに分けられます。
海軍用語だと、重視されるのは「どこの所属か?」ということ。
現代語の場合はどこに所属していても艦船は艦船だし艦艇は艦艇なので、ここはけっこう大きなポイントです。
- 艦船=日本海軍に所属するすべての船。
- 艦艇=艦船の中にあるカテゴリのひとつ。
さらに海軍用語の「艦船」には、現代語との重要な違いがあります。
それは、艦船の中にカテゴリがいっぱいあるということ!
現代語だと「艦船」の中身は「艦艇」と「それ以外の船舶」だけ。
ですが、日本海軍の用語として使うときには「艦艇」のほかに「特務艦艇」「雑役船」「特務艦船」が存在するのです。
日本海軍における「艦艇」とは?
旧日本海軍での「艦艇」とは、ものすごいざっくりとしたいい方をするなら、一般的に想像される軍事用船舶のことです。
具体的には軍艦、駆逐艦、潜水艦などですね。
戦艦や空母は軍艦の一種ですから、ここに含まれます。
日本海軍における「特務艦艇」とは?
「特務艦艇」とはその名のとおり、特殊な技能を持って任務にあたる船のことです。
特務艦艇は特務艦と特務艇を合わせた呼び方です。
特務艦と特務艇のおもな違いは大きさです。
どちらも特殊な仕事をするのはいっしょ。
特殊な仕事の具体的な内容はいろいろあります。
艦船・兵器を修理したり(工作艦)、軍需物資の輸送をしたり(輸送艦)、水深や海流を測る船もありました(測量艦)。
機雷敷設をするものもいましたし(敷設特務艇)、逆に機雷を除去するものもいました(掃海特務艇)。
日本海軍における「雑役船(ざつえきせん)」とは?
「雑役船」とは、戦闘部隊の後方で活躍した船です。
「雑役船」には、任務に応じて多くの種類があります。
いまでいうタグボート(曳船。「えいせん」と読みます)や、陸~艦や艦~艦に移動するためのエンジン付きボート(内火艇。「ないかてい」または「うちびてい」)とか、川で使うボート(砲艇)とか、クレーン船(起重機船)などなど。
じつはこのクレーン船(起重機船)はいまも現役!
日興産業が所有する「起重機船さんこう」「起重機船ひろしま」が有名です。
日本海軍における「特務艦船」とは?
どこも興味深いですが、「特務艦船」はとくに興味深いカテゴリです。
「特務艦船」はじつはもとは戦闘用ではない船なのです。
公営・民間問わずいわゆる普通の船を、軍が軍事用として強制的に徴用して軍事用船舶に改装してしまうんです。
こういった艦は「特務艦船」と呼ばれていました。
報国丸(特設巡洋艦)や極東丸(特設運送艦)が有名です。
あらかじめ徴用前提に軍が船会社と契約することもあったんですよ。
「造船の代金をこれだけ補助してあげるから、有事のときには船を海軍にちょうだいね」と。
そういう場合は、特務艦船に改装しやすいような工夫があらかじめおこなわれた状態で造船作業が進められていきました。
日本海軍の艦船の分類方法がややこしすぎる気がする
日本海軍は組織が発展するにしたがって、いろんな艦を持つことになっていきました。
で、「そろそろ整理したほうがいいよね」というタイミングで(つまり不定期に!)、艦の種類の定義づけを整理していました。
しっかり厳密に分類わけがおこなわれるようになったのは、1898年(明治31年)3月21日に「海軍軍艦及水雷艇類別標準」という規定をつくってからのこと。
このあとも何度も何度も定義づけはアップデートされていて、太平洋戦争中も微妙に整理をつづけています……。
(そんなことより気にするべきこと、片づけるべき仕事はいっぱいあるでしょ! といいたくなってしまいますが)
分類わけを更新していく必要があるのは、それだけ海軍の力が上がったということでもあるんですけどね。
だって日本海軍が誕生したときには「軍艦」と「輸送船」の分類だけでじゅうぶんだったのですもの。
明治元年(1868年)に明治新政府といっしょに誕生した日本海軍。
「初めての艦船」は、幕府から引き渡された4隻の艦艇だけでした。
ものが増えてくると整理の必要性が増していくのは、いまも昔も同じなのですね。
日本海軍の艦船の種類表(太平洋戦争開戦時)
以下の表ではいろんな種類の艦がありますが、菊花紋章をつけることを許されているのは「軍艦」だけです。
種別 | 特徴 | 例 | ||||
艦艇 | 軍艦 | 戦艦 | 強大な大砲と装甲を持つ、戦闘の花形。 海戦の主役。 弱点は空からの攻撃。 | 大和、武蔵、長門、陸奥 | ||
航空母艦(空母) | 飛行機の発達とともに台頭してきた艦。 飛行機を載せて運ぶことに特化。 飛行機を使って遠距離攻撃する。 ※戦前・戦中の略称は「航母(こうぼ)」「航母艦」 | 赤城、加賀、蒼龍、飛龍 | ||||
一等巡洋艦 | 攻撃力と防御力と生産コストのバランスがよい。 わりと速いスピードで動ける。 偵察から敵主力艦への攻撃までなんでもござれ! 主砲の口径15.5cm以上で「一等巡洋艦」。 | 妙高、愛宕(あたご) | ||||
二等巡洋艦 | 主砲の口径15.5cm未満の巡洋艦。 | 五十鈴(いすず)、矢矧(やはぎ) | ||||
水上機母艦 | 水上機を載せることに特化。 水上機は、海上で離発着できる機能を持った飛行機。 | 千歳、千代田、秋津洲 | ||||
潜水母艦 | 潜水艦に補給できる艦。 潜水艦乗組員の休養設備もある。 | 長鯨(ちょうげい) | ||||
敷設艦 | 機雷や防潜網(ぼうせんもう)などを運んで設置する艦。 潜水艦と戦うこともあった。 | 厳島(いつくしま) | ||||
砲艦 ※1944年に軍艦から外された。 | 川で活動する艦。 河川で見張りをする(哨戒)。 | 熱海(あたみ)、伏見 | ||||
海防艦 ※1942年に軍艦から外された。 | 沿岸警備をおこなう艦。 おもに古い戦艦が使われていたが、大戦末期のころは専用の艦がつくられるようになった。 | 浅間、出雲、八雲、吾妻 | ||||
練習戦艦 | その名のとおり練習用の艦。 古い戦艦を使用。 戦闘には使用しないはずだったが……。 | 比叡 | ||||
練習巡洋艦 | 練習専用につくられた巡洋艦。 戦闘には使用しないはずだったが……。 | 香取 | ||||
一等駆逐艦 | 高速で魚雷を使う。 敵主力艦への夜襲、潜水艦との戦いがおもな任務。 基準排水量1000トン以上。 | 時雨、陽炎、冬月 | ||||
二等駆逐艦 | 基準排水量1000トン未満の駆逐艦。 | 菊、葵、若竹、夕顔 | ||||
一等潜水艦 | 航続力はあるが、艦内環境はめちゃくちゃ過酷。 攻撃方法は魚雷。 哨戒と通商破壊がおもな任務。 基準排水量1000トン以上。 | 伊号の各艦 | ||||
二等潜水艦 | 基準排水量1000トン未満の潜水艦。 | 呂号の各艦 | ||||
水雷艇 | 小さな駆逐艦。 軍縮条約に引っかからないサイズで設計されている。 | 千鳥、真鶴(まなづる) | ||||
掃海艇 | 敵の仕掛けた機雷を除去する。 | 第1号艇、第5号艇 | ||||
敷設艇 | 小型の敷設艦。 | 猿島 | ||||
駆潜艇 | 潜水艦と戦うことができる。 港の防護や船団護衛がおもな任務。 | 第1号、第13号、第28号 | ||||
哨戒艇 | 古い駆逐艦。 哨戒のほか、上陸部隊の輸送もおこなった。 | 第1号、第31号 | ||||
特務艦艇 | 特務艦 | 工作艦 | 艦船・兵器の修理をすることができる。 | 明石、朝日 | ||
運送艦 | 軍需物資の輸送。 | 宗谷(そうや) | ||||
砕氷艦 | 北方の海で後方支援や測量をおこなう。 | 大泊(おおとまり) | ||||
測量艦 | 水深、潮流、海流を測る。 | 筑紫(つくし) | ||||
標的艦 | 艦砲射撃訓練の標的用。 | 摂津 | ||||
練習特務艦 | その名のとおり練習用。 | 富士 | ||||
特務艇 | 敷設特務艇 | 基地や港の防御用に機雷を仕掛ける。 | 夏島 | |||
掃海特務艇 | 戦時急造用に設定。 漁船のかたちをしている。 機雷を除去する。 | 第1号、第101号、第104号 | ||||
駆潜特務艇 | 戦時急造用の局地用駆潜艇。 木造の漁船型をしている。 | 第1号、第105号、第118号 | ||||
電纜敷設艇(でんらんふせつてい) | 軍港の防御のため、管制式水中聴音機雷を仕掛ける。 | 初島(はしま) | ||||
魚雷艇 | 高速の内火艇。 敵に肉薄して雷撃攻撃をおこなう。 | 第1号 | ||||
雑役船 | 曳船、重油船、測量船、内火艇、起重機船、砲艇、飛行機運搬船、飛行機救難船など | 戦闘部隊の後方でさまざまな任務をおこなう。 | 高須丸(曳船) | |||
特務艦船 | 特設空母、特設巡洋艦、特設砲艦、特設運送船、特設掃海艇、特設監視艇 | 軍隊が徴用した船舶を戦闘用に改装したもの。 | 報国丸(特設巡洋艦)、極東丸(特設運送艦) |
菊花紋章(いわゆる「菊の御紋」)をつけられるのは「軍艦」だけです。
逆のいい方をすれば、菊花紋章をつけられないのは、小さな船や紙装甲の船ばかりなのです!
つまり、攻撃を一発食らっただけで沈んでしまうような船です。
当時、菊花紋章の軍艦は天皇陛下の持ち物である、という考え方でした。
もしも「すべての艦船が天皇陛下の持ち物である」としてしまえば、いったいどういうことが起こるでしょう?
天皇陛下の持ち物であるにもかかわらず、攻撃を食らった紙装甲の船はそっこー沈んでしまいます。
陛下のお船が次々と沈んでしまうなんて、とっても具合が悪いですよね。
かくして、菊花紋章をつけて堂々と「天皇陛下の持ち物であるぞ」と示せるのは「軍艦だけ」になったのではないでしょうか。
勝手な思いつきですが、そんな推測をついついしてしまいますよ!
「軍艦」と「戦艦」は現代語でも日本海軍用語でも意味はほぼ同じ
「軍艦」の中に「戦艦」が含まれている。
この構図は現代だろうが旧日本海軍だろうが変わりません。
『「船舶」=船』についての疑問
軍事用「船舶」、民間用「船舶」とはいうものの、ここまで来ると「船舶」という言葉に対しても気になることが出てきました。
- 「船舶」は大きい船も小さい舟も両方含めて「すべての船」といってもいいのか。
- 「艦船」が軍事用船舶と民間用船舶をあらわすなら、それはすべての船を意味する「船舶」と同じ意味ではないのか。
気になってきませんか?
ひとつずつ見ていくことにします。
「船舶」は大きい船も小さい舟も両方含めて「すべての船」といってもいいのか
「船舶」は「船」そのものをあらわす言葉ですが、船の大きさは問わないのでしょうか。
近づくとどでかいマンションにさえ見える大型客船も、小さな手漕ぎボートもみんな「船舶」でいいのでしょうか。
たとえば「特務艦艇」の「特務艦」「特務艇」は、「艦」や「艇」が明確に使い分けられているけれども……?
結論をいうと、広い意味では大型船も小型船も含むので船の大きさは問いません。
ただし狭い意味では「大型の商用船」を指すこともあります。
だから、大きさを問う場合と問わない場合があるということですね。
「船舶」とは「大きさを問わず、すべての船だ」と解説されているのは、公益財団法人 日本海事広報協会のホームページです。
一方、講談社学術文庫の『国語辞典《改訂新版》』では、「船舶」とは「とくに大型の商用船であること」が明記されています。
【船舶】(名)
国語辞典《改訂新版》(講談社学術文庫)
船。特に、大型の商用船。
「航行中の-」
わたしのイメージとしては「船舶」という言葉を耳にしたとき、ボート(boat)と呼ばれるサイズ感の舟よりはシップ(ship)というにふさわしい大きさの船を脳内で想像してしまいます。
日本海事広報協会も『国語辞典《改訂新版》』も、専門性や権威性・信頼性は十二分にあるので(笑)、「どちらも正しい」とわたしは結論づけることにしました。
「船舶」の「船」の漢字は、大きな船も小さな船も含めた「船」そのものを意味しているそうなんですね。
対して「舶」は大きな船をあらわす漢字です。
「船舶」は『大小問わず船であることをあらわす漢字+大きい船であることをあらわす漢字』で構成されていることになります。
だとすれば「船舶」は、「大きさは問わずに船そのものをあらわす言葉だが、どちらかというと大型船のニュアンスがある」――このあたりが落としどころになるのではないでしょうか。
現代語の「艦船」=「船舶」になるのでは?
- 「船舶」=すべての船、船という存在そのものを意味する言葉である。
- 「艦船」=現代語の場合は、軍事用船舶と民間用の船舶を合わせた言葉である。
このことを前提に考えて生まれてくる疑問が、

「艦船」=「船舶」なんじゃないの?
ということです。
これに対し、「含まれている意味合いは微妙に違う」とわたしは考えています。
理由は、「船舶」がすべての船をあらわす言葉で、「艦船」が軍事用と民間用の船を合わせた呼び方だから。
「船舶」は船のすべてのカテゴリが含まれているといえます。
軍事用船舶はもちろん、客船、貨物船、タンカー、漁船、遊覧船などなど。
すべてのカテゴリを含めたいい方だからこそ、軍事用船舶(艦艇)が船のおおくのカテゴリの中のひとつにすぎない、ということになってしまいます。
軍事用船舶もモブになって埋もれてしまうニュアンスですね。
カテゴリ名のすべてが並列になっているイメージとでもいいましょうか。
対して「艦船」だと、『「軍事用船舶」と「そのほか民間用の船舶」』を合わせたいい方です。
「船舶」の中からあえて軍事用船舶だけを抜き出し、残った民間用船舶と対比させた表現なんです。
「軍事用」と「そのほか」というニュアンス。
または、「軍事用」と、「そのほかみんな」というグループの対比。
ですから、「船舶」よりも「艦船」のほうが、軍事用船舶について注目しているといえます。
ハッキリいってしまえば、「艦船」は「船舶」よりも軍事色が強い。
たとえばモデルアート社の『艦船模型スペシャル』という雑誌があります。
プロのモデラーのつくった、艦艇の模型を特集・紹介している雑誌です。
もしこの雑誌の名前が『艦船模型スペシャル』じゃなくて『船舶模型スペシャル』だとしたら、内容がだいぶ違ってくるように思えてきませんか。
少なくとも軍事用船舶メインの雑誌ではなさそうです。
客船や貨物船、タンカーの模型が多く紹介されていて、その中のひとつに艦艇の記事がちょこっとだけ入っているのを想像してしまいます。
全100ページとすれば、客船・貨物船・タンカー・戦艦で25ページずつ特集する、みたいな。
ですが『艦船模型スペシャル』は、軍事用船舶の模型を紹介している雑誌です。
『船舶模型スペシャル』でイメージする内容とはまったく違います。
もうひとつ興味深い事例をご紹介します。
わたし 鍋弓わた の夫であるHIGH-GEARedはプロモデラーをしています。
彼は自分がつくった模型作品を展示会で披露することがよくあります。
数年前、とある県で展示会をおこなったときのことです。
「艦船模型展示会」としていた展示会名が、自治体の指示で「船舶(艦船)模型展示会」とせざるを得なかったことがあります。
「艦船」に軍事色を感じる人が確実に一定数は存在していることを示すよい例ではないでしょうか。
鍋弓わたの夫 HIGH-GEARed氏のブログはこちら!
「艦船」「艦艇」「軍艦」「戦艦」「船舶」の違いはやっぱりややこしい
いろいろと細かいことをいいましたが、基本的には、
艦船>>>艦艇>>>軍艦>>>戦艦や空母
のイメージを持っていればじゅうぶんです。
会話に困ることはないでしょう。
あとは、軍艦=戦艦ではないことが大切!
「軍艦」「戦艦」はメジャーなわりに、字面が似ていて混同されやすい言葉です。
軍事用船舶の意味で「戦艦」とウッカリ使っちゃう人も多いはず。
「でもそれは違うんだよ~」というのが、この記事の趣旨なのでした。
「軍事用船舶」といいたいときには「艦船」といえば、教養がある人っぽくてカッコイイ!
オマケ:じつはこんないい方もある。それは「艨艟(もうどう)」
「かんべんしてよ~」といいたくなる(?)ややこしい言葉を最後に紹介します。
「艨艟(もうどう)」。
「軍艦」または「戦艦」を意味する言葉です。
とくに体当たり攻撃をする軍事用船舶をあらわす言葉なので、ちょっと昔の艦のニュアンスでしょうか。
少なくとも現代の護衛艦やイージス艦は体当たりはしないので、海上自衛隊所属の艦についてはいわないはず。
体当たり攻撃が「もう効かないね、ダメだね」とはっきりしたのは日清戦争のときです。
ということは、それまでの艦に対しては「艨艟」といってもOKですね。
(そこまで厳密に考える必要があるかどうかは別にして……)