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橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より表紙(後半)

完成図【2015年11月20日(金)完成】

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より表紙(後半)

 橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より後半の表紙絵を描かせていただきました。
 こちらの物語は、中世ヨーロッパを思わせる世界――アルボレダ王国の高級娼館「月下香亭」を舞台に繰り広げられる群像劇です。
 世界観に奥行きがあり、まるでそこに存在しているかのように感じられる登場人物たちがたしかに人生を生きています。
 前半の表紙絵を描かせていただいたときに小説を拝読してからというもの、描き手としては「描きたい!」と感じ、一読者としてはそのおもしろさにドキドキしています。

制作過程

ラフ画(タイトルなし)

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より表紙(後半)

「主人公サラ(ロニセラ)とカメリア、シメオン、クロードの三人の幼馴染たちを描いてほしい」とのご指定を受け、それぞれの想いと関係性を意識して描かせていただきました。
 webでの公開を前提とし、横構図にしています。
 悲劇や困難があっても、シメオンへの思いを抱いたままで元気に生きようとするサラを主人公らしく前面に配置しました。彼女の持つスイカズラの花は、秘めた想いとしてシメオンに巻きつかせました。
 されるがままになりながらもどこか上の空に見えるカメリアの本心はどこに……? 不安なシメオンはカメリアを抱き寄せています。
 それを目の当たりにするクロードは、剣を出すことでしか自分の気持ちをあらわすことができないのかもしれません。
 そんなかたちでもクロードとかかわることができて、カメリアは笑んでいるようです。
 ……というイメージでお描きしました。
 背景は、左側にスイカズラが、右側に椿の花が咲く庭園です。あたりには椿の花びらが散っています。

ラフ画(タイトルあり)

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より表紙(後半)

 タイトルを入れるとこのような雰囲気になります。

キャラクターデザイン案〈サラ〉

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より
  • 銀の髪飾りで纏められた赤毛。
  • 丸い輪郭、小ぶりで形のよい鼻、口角の上がった薄い唇。
  • 深い褐色のパッチリした両目。
  • 化粧映えのする、どことなく猫を思わせる愛らしい顔だち。
  • 後半では十六歳~。
  • ほっそりした体型。
  • デビュー時:髪飾りの下に結ばれたレースのリボン。
    ※葉っぱモチーフの銀の髪飾りをつけて、その下にレースのリボンをカチューシャ風につけている髪型にしています。
  • デビュー時:真新しい白い表衣《コタルディ》は、胸元が大胆に開いている。

キャラクターデザイン案〈クロード〉

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より
  • 砂色の髪。暗緑色の瞳が陰気に光っている。
  • 前半:二十歳そこそこ/後半:二十代なかばくらい?
  • 尖った鼻、薄い唇、切れ長の目。鋭い刃物のような雰囲気を持つ若者。
  • 真夏でも着ている黒いマントには、花弁の大きな白い花模様がある。
  • 黒づくめの姿……黒い皮手袋、腰に据えた長剣、襟付きの黒い上着。
  • わずかに右足を引きずる癖のある歩き方。
  • よく鍛えられた肉体は彫刻のように均整がとれている。

キャラクターデザイン案〈シメオン〉

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より
  • 前半:二十歳くらい(初登場時)~/後半:二十代なかばくらい~
  • 濃い蜂蜜色の髪。濃紺の瞳はアーモンド型はいかにも育ちのよい軽やかさがある。
  • とても整った顔立ち。まっすぐな眉と鼻筋が意志の強さを表している。
  • 頬も首筋も健康的に日焼けをしているが、労働者には見えない。
  • 流行の短い青のシュルコ、細身のブレーに型押しのベルト。はやりの服が嫌味なくなじんでいる。
     薄手のマントを肩にひっかけているときも。
  • 「かっこよくてお洒落でお金持ちで、思っていたよりちょっと庶民的な感じだったが、素敵な王子様である」――サラの印象より。

キャラクターデザイン案〈カメリア〉

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より
  • 長い黒髪、春の空のような淡い青の瞳にはつねに凛とした強さがひそんでいる。長い睫毛。薄い紅色の唇。
  • 線の細いはかなげな美貌の持ち主。どんな客に対しても従順。
     寒さに耐えて咲き誇る椿の花のような印象の女。
  • サラより十歳年上――前半:二十一歳(初登場時)~/後半:二十六歳~
  • 少し後れ毛を残した結い髪が肌の白さを引きたてている。
  • 前半での着用コタルディの色:薄紫色、朱色。
  • 前半での着用コットの色:無地の青。
     このとき、髪は左耳の横でひとつに束ねている。
  • 所有アクセサリー:椿の花が浮かびあがっている赤瑪瑙のカメオ。ふちは小さなダイヤモンドが飾る。
     翡翠の耳飾り。銀細工のかんざし。金の指輪。

ラフ画(タイトルなし)その2

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より

 打ち合わせを重ね、ラフ画を定めていきます。

    「その1」からの修正点
  • クロードの髪:グレーに変更しました。
  • スイカズラの蔦:量と力を控えめにしました。

ラフ画(タイトルあり)ロゴ案(五種)

 タイトル『チューベローズの温室』とともに『Maison de Tubereuse(月下香の家)(トゥベルースの最初のeにはアクサンがつく)』のロゴをお入れすることになりました。
 ひとまず、五種類ほどロゴ案をつくりました。

Aパターン

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より

Bパターン

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より

Cパターン

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より

Dパターン

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より

Eパターン

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より

 この段階では、これらの組みあわせは一例として考えていました。
 日本語タイトルの書体を「Aパターン」・仏語タイトルの書体を「Bパターン」、文字の色や光り方のデザインのみ「Dパターンの日本語タイトルのもので」など、異なる組み合わせのご指定をお受けしても柔軟に変えることができます。
 日本語、仏語タイトルの位置を変更することもできますので、たとえば「Aパターン」で仏語タイトルを日本語タイトルの下に変更する……というご指定も可能です。
 作品世界の魅力をお伝えするさまざまな可能性を探していました。

ラフ画(タイトルなし)その3

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より

 連載中の本編を拝読していますと、サラ(ロニセラ)の衣装がクリーム色+赤のサッシュベルトというシーンがありました。
 ラフ画ではこの時点より前のエピソードの衣装カラーになったままだったので、「クリーム色の衣装と赤のサッシュベルトはいかがでしょうか」とご提案いたしました。
 打ち合わせの結果、サラの衣装は連載中の本編に合わせることになりました。

    「その2」からの変更点
  • サラのコタルディ:『ロニセラの日常 二』に合わせて、コタルディをクリーム色に、サッシュベルトを赤に変更しました。

ラフ画(タイトルあり)その3

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より

 タイトル案が決定しましたので、決定稿でのタイトルありラフ画です。
 Aパターンのタイトルデザインで、日本語と仏語の上下を逆にしたものとなっています。

途中経過

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より

 途中経過をご報告いたしました。
 背景がまだまだ薄いままです……そしてスイカズラの蔦や椿の花びらもありません。

完成(タイトルなし)

橘 塔子様 作『チューベローズの温室』より

 完成画のタイトルなしバージョンです。

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